ADHDの子どもにとって、家庭での学習は「集中できない」「続かない」など多くの困難があります。
「どう声をかければいいの?」「すぐに気が散ってしまう…」そんな悩みを持つ保護者の方へ。
元小学校教員の私が、現場で実践してきた“集中力を引き出す7つの家庭学習の工夫”をご紹介します。
おうちですぐに始められるアイデアで、お子さんの「できた!」を一緒に増やしていきましょう。
目次
① 学習時間を区切る:15分集中でメリハリ学習
ADHDの子どもにとって、長時間の学習は集中の持続が難しいもの。
そこでおすすめなのが「15分学習+5分休憩」のミニ学習タイムです。
- タイマーで時間を可視化
- 「あと◯分で休憩」の見通しをもたせる
- 1日3セットで十分な学習量に
🗣 声かけ例:
「15分だけ、一緒に頑張ってみようか」
「タイマーが鳴ったら、おやつ休憩にしようね」
スケジュール表を一緒に作ると、自主性も育てられます。
② 視覚的ノイズを減らす:集中しやすい学習環境づくり
ADHDの子どもは、視覚からの刺激に敏感です。
学習スペースの見直しが集中力UPに効果的です。
- 机周りはシンプルに
- テレビやおもちゃは視界に入れない
- 必要な文具だけを置く
🗣 声かけ例:
「ここは“勉強の場所”にしようか」
「この机、集中しやすいように片付けてみようか」
段ボールで作る簡易学習ブースもおすすめ。
③ 小休憩でリフレッシュ:ジャンプやストレッチで脳を活性化
身体を動かすことで、気分転換と脳の活性化が期待できます。
- ジャンプ10回
- スクワット5回
- 深呼吸やストレッチ
🗣 声かけ例:
「よく頑張ったね!ジャンプ10回してから続きをやろうか」
「スクワットしてスッキリしよう!」
「15分勉強+5分運動」で習慣化すると効果的です。
④ 即時のごほうび:やる気を引き出す報酬の工夫
ADHDの子には「すぐにもらえる」小さなごほうびが有効です。
- 1ページ終わればシール1枚
- 勉強後に好きな動画を15分
- 小さなおやつやハイタッチでもOK
🗣 声かけ例:
「このページ終わったら、シール貼れるよ」
「あと10分頑張ったら、アニメタイムにしよう!」
報酬は「結果」より「行動」に対して与えるのがポイントです。
⑤ タスクを見える化:やることリストで不安を軽減
「何をすればいいか分からない」不安を防ぐには視覚的サポートが有効です。
- ホワイトボードで「やることリスト」作成
- 終わったらチェックマークで達成感
- 絵カードやイラストでスケジュール提示
🗣 声かけ例:
「今日のやること、3つだけにしてみよう」
「できたらここにチェック入れようね!」
行動の順序が見えると、混乱が減り集中しやすくなります。
⑥ 学習アプリを活用:楽しみながら学べるツールを選ぶ
ADHDの子どもには、アニメーションや音声がある学習アプリが有効です。
- 動きや音で注意を引きやすい
- ごほうびやレベルアップで達成感
- 自分のペースで進められる
🗣 声かけ例:
「今日はアプリで10分だけやってみようか」
「この問題できたら、レベルアップできるかも!」
おすすめは「トドさんすう」「スマートドリル」など発達特性に配慮されたアプリです。
⑦ 親子関係を大切に:できたことをしっかり認める
何より大切なのは「結果よりもプロセスを褒めること」。
親の声かけが子どもの自己肯定感を育てます。
🗣 声かけ例:
「今日は最後まで座っていられたね、すごい!」
「昨日よりも集中してたよ、えらいね」
叱るよりも“できたこと”に注目し、「学習=楽しい経験」になるようサポートしましょう。
まとめ:できた!の積み重ねが自信につながる
ADHDのお子さんにとって、集中して学習することは簡単ではありません。
でも、環境・時間・関わり方を少し変えるだけで、ぐっと取り組みやすくなります。
まずはできることを1つ、今日から取り入れてみてください。
小さな「できた!」の積み重ねが、お子さんの自信と学びの力を育てていきます。