- 小1の息子ですが、どうしてもか行の発音がた行になってしまいます。これは発達障害なのでしょうか?
- 発達障害とは限りません。正しいトレーニングをすれば小学生でも発音を直すことができますよ!
こんにちは。この記事では上のような悩みを持つパパママ向けに、私の実践例も紹介しながら解消法をお伝えします。
目次
そもそもか行とた行の音の出し方って?
人が発声するときの口や舌の形のことを構音といいます。
「か」の音を出すには口の奥の方で舌の奥の方を持ち上げて発声しているのに対し、「た」の音では舌先を使って発音しています。
か行の構音については個人差はあるものの、おおよそ3~4歳ころに獲得するといわれています。
なぜ、か行がた行になってしまうのか?
か行の発音がた行に置き換わってしまう理由は様々ですが、多くの場合は「発音しやすい他の音への置き換わり」です。
その原因として
- 舌の筋力不足
- 舌に余分な力が入っている
ことが挙げられます。いずれにしても「力を入れて!」「力を抜いて!」という声かけでは直らないことが多いです。なぜなら、お子さんには舌の力加減という感覚そのものがわからないからです。
舌の力加減がわかることで大体のお子さんは自然と正しい構音を習得していきますが、中には癖がついてしまって構音がうまくいかない、ということがあります。この状態を機能性構音障害といい、言語聴覚士さんのサポートが必要になる場合もあります。
「か」が出るように私がしてきたこと
では、ここからは本題の「か行の構音」についてです。
まず最初にやるべきことは「がらがらうがい」です。えっ、そんな簡単なこと、と思われるかもしれませんが、か行の構音がうまくいかないお子さんの多くは、うがいが正しくできていません。一見正しくうがいをしているようでも、口先に水をためてぶくぶくしている場合は正しくありません。特に舌の前のほうが持ち上がっている状態では正しい構音を獲得できないので、よく見てあげてください。
がらがらうがいができないようでしたら、水を口に含んだ状態でまねっこゲームをします。大人が「あーー」と声を出すので、お子さんは口に水を含んだ状態で同じように「あーー」と声を出します。これができると自然とがらがらうがいの形になります。遊びの要素を取り入れて楽しく練習できるようにしてあげましょう。もちろんできたら褒めるのをお忘れなく。
トレーニング時間は1日5分程度でおさめると、あきずに練習できます。
うがいをするときの注意点
うがいの練習をするときは誤飲、誤嚥の可能性があります。一度つらい思いをしてしまうとお子さんにとって練習が嫌なことになってしまいますので、必ず大人がついて、くれぐれも慎重に行うようにしてください。
水を減らしてみよう!
がらがらうがいができるようになったら、水の量を減らしていきます。用意するものはコップとストローです。
ストローの先に水を1~2滴とり、お子さんの舌の上、奥側に落としてあげます。この時「お水入れるよ」と声をかけながらやるのがポイントです。そしてこの水滴を使ってがらがらうがいをします。できないようでしたら水の量を増やしてやってみましょう。できなかった、ではなく、これならできた、と思わせるのがコツになりますので、じっくり取り組みましょう。
これができるようになったら「お水入れるよ」と言いながらストローで水を落とすふりをして、水なしで同じことをしてみてください。「か」の発音に近づいてきているはずです。これは水を飲まないように舌奥を上げることで、口の形が「か」を発音するときの形になっているからです。
ここまできたら「か」の構音はほぼ出来上がりました。次は文字の「か」と構音を結び付ける作業になります。
すぐに結び付けようとしない
親御さんの気持ちとしては早く「か」を正しく発声してほしいとは思いますが、ここで文字の「か」を見せてしまうとお子さんは「か」=「た」の音と認識していますので、「た」と発音することになってしまいます。
私はうがい練習で獲得した音を「ka」と表し、「新しく獲得した音」として認識させることをしました。そしてまずはこの「ka」の音を確実に出せるまで、まねっこゲームに取り組みました。
最初は口の形を確実に作れるようにするため、口を開いた状態で「ん-あー」と発声するところからです。口を開いた状態で「ん」の音を出そうとすると、舌の奥が上がります。これは「か」の構音と通じるところがありますので、まずはこれを練習しました。
これができるようになってはじめて「ka」の練習です。まずは単音節で一回「ka」と発声します。できるようになったら2回、3回と連続して出せるかどうか、これもできるようになったら無意味な文字列(無意味音節といいます)の中で「ka」がだせるか、という順番で取り組みました。
大人はどうしても言葉に意味を持たせがちなのですが、意味のある文字列にしてしまうと、子どもは頭の中で文字をイメージしてしまい構音が「た」になりがちなので、まずは確実に「ka」の音が出せることを重視しました。
上達してきたら
無意味音節で「ka」がだせるようになってきたら、次に混同していた「た」と組み合わせた発音の練習をします。「か、た、か、た」と交互に発音することをそれまでと同様にまねっこゲームの手法でやっていきます。はじめは一音ずつ丁寧に、慣れてきたら連続して出せるかどうかやっていきます。同じことを「き、ち、き、ち」「く、つ、く、つ」というようにあ段~お段までやっていきます。
ひらがなと結びつける
ここまでできるようになってはじめてひらがなの「か」を見せ、「実は今までやってきた ka はひらがなの か のことだったんだよ」とネタバラしをしました。そのころには構音も意識してできている状態だったので、すんなりと文字の「か」と構音の「ka」が結び付きました。
ここまできたらあとは絵カードを見せて「か」の付く単語の習得に移ります。
小学生での習得も可能
私は元小学校教員だったので、上の例は小学1年生のものです。よく構音は早いうちに直さないと、という話も聞きますが、ケースバイケースだと思います。例のお子さんの場合は舌の器用さが足りないだけのケースでしたので、小学校からでも正しい構音を獲得できました。ただし、10歳(小4)が構音指導の限界とも言われていて、それを過ぎると本人の中で誤った構音が定着してしまうので、直すのは難しいとされています。
また、同じ構音指導でも「か」が母音(さかな→さあな)に置き換わる場合は難しく、このパターンは専門の言語聴覚士さんのサポートが必要な場合が多いです。
発音が気になったときはどこに相談すればいいの?
お子さんが就学している学校・園に相談していただければよいかと思われます。学校・園では教育相談を随時受け付けているところがほとんどです。
小学校であれば通級指導教室の先生に相談してもよいでしょう。ただし、構音指導の専門の先生がいるとは限りません(むしろいる方が珍しいです)ので、心配でしたら言語聴覚士さんのいるスクールやクリニックも視野に入れてよいと思います。
まとめ・終わりに
今回は子どもの構音について、実体験をもとに解説しました。
- か行のた行への置き換わりは自然と治ることも多いが、小学校段階ではテコ入れが必要
- うがいからスタートして、徐々に段階を上げる
- 定着するまで文字は見せずに記号で表して、新しい音として身に着けさせる
- トレーニングは5分程度で。
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